[2022.07.28]103万?130万?扶養の範囲とは?
学生のアルバイトや主婦(夫)が働くときに、よく耳にする「扶養の範囲」。
従業員からの質問も多いのではないでしょうか。
雇用主としてはいくらまでが扶養の範囲であるのか、きちんとか把握しておく必要があります。
もくじ
1. 税制上の扶養
まずは税制上(住民税・所得税)の扶養についてみていこう。
■ 100万円を超えると住民税が課税される
年収が100万円を超えると住民税がかかってきます。ただし、自治体によって多少の違いがあり、一般的には「年収93万~100万円」を超えると、課税対象となります。
■ 103万円を超えると所得税が課税される
年収が103万円を超えると所得税がかかってきます。ただし、ひと月でも月の給与が88,000円を超えてしまうと、所得税が天引きされます。
学生アルバイトは103万円以内が目安
親の扶養になっている学生などの場合、103万円を超えると扶養者控除が適用されなくなり、親が支払う税金が増えてしまいます。トラブルの原因となることもありますので、学生アルバイトの年収は103万円を目安に考えましょう。毎月のバイト代で考えると、103万円÷12カ月=8万5,833円となります。
2. 社会保険上の扶養
※2022年10月からは101人以上に改正されます
■ 130万円を超えると扶養から外れる
多くの人に影響を及ぼすのは130万円の壁でしょう。年収130万円を超えると世帯主の扶養から外れてしまい、自身で社会保険に加入する必要があります。また、社会保険適用事業所であれば、130万円を超える従業員に関しては社会保険に加入させる義務もあります。
■ 150万円までは配偶者特別控除を満額受けられる
年収が150万円までであれば、満額の38万円の配偶者特別控除を受けることができます。
配偶者特別控除は年収201万円以下であれば適用されますが、150万円を超えると段階的に控除額が減少していきます。
■ 201万円を超えると配偶者特別控除を受けられない
年収201万円を超えてしまうと、配偶者特別控除は適用されません。
満額だと38万円の控除が適用されるよ。
3.社会保険に加入するメリット
一見デメリットのように見えるけど、将来的なメリットも大きい!
① 将来受け取る年金額が増える
世帯主の扶養に入る場合、「国民年金」にのみ加入しますが、扶養から外れて勤め先の社会保険に加入すると、国民年金に加えて「厚生年金」に加入することになります。その分、将来もらえる年金の額も増えるということです。
② 傷病手当金や出産手当金を受け取ることができる
病気やケガのために一定期間仕事を休んだときにもらえる傷病手当金や、出産時に受け取れる出産手当金なども受け取ることができます。
5. まとめ
・100万円を超えると住民税が、103万円を超えると所得税が課せられる
・130万円を超えると扶養から外れ、社会保険への加入が義務に
・学生アルバイトは年収103万円以内を目安にするのがベター