[2024.11.19更新]社会保険の未加入はバレる?罰則は?従業員の加入条件も解説!
社会保険、適切に加入していますか?
事業主にとっては社会保険料が大きな負担となるため、未加入のオーナー様も多いのではないでしょうか。
実は加入義務があるのに未加入のままでいると、後々大きなリスクとなることもあります。
周りのオーナーさんに聞いても、社会保険に加入していない人が多い印象ですが、実際どうなんでしょうか?
個人事業主であっても、条件に該当すれば加入の義務があるよ。
もくじ
1. 社会保険とは
社会保険とは、病気・ケガ、老後の資金不足、失業などにおけるリスクに備えるための公的保険制度です。その公的保険制度の中でも狭義の社会保険とされているのが、健康保険・厚生年金保険・介護保険(加入対象は40歳以上)であり、この記事でもこの3つを対象に解説しています。
2. 社会保険の未加入はバレる?
今は年金事務所も調査に力を入れており、4年に一回のペースで調査が行われるとされています。調査では従業員のタイムカードや労働契約書をチェックされるので、加入条件を満たしているのに未加入の従業員がいたり、そもそも事業所が社会保険に加入していないというのは、一発でわかってしまうのです。
3. 社会保険未加入のリスク
・罰金や罰則が課せられる
悪質な違反事業者だと見なされる場合には、6ヶ月以下の懲役や50万円以下の罰金が課されることもあります。
・2年分の追徴金の支払義務
年金事務所の調査で未加入が発覚すると、過去2年分の保険料請求がなされる可能性があります。しかも、すでに従業員が退職していて連絡が取れない場合などは、全額会社負担となることもあり、店舗経営にも大きなダメージになりかねません。
・損害賠償を負う可能性も
業務中に従業員が死亡・発病したにも関わらず、社会保険に未加入だった場合、加入していれば受給できる遺族厚生年金や傷病手当金が支給されません。そのため、従業員(またはその家族)から訴えられた場合、受け取れた金額を支払う義務が生じます。
4. 社会保険の加入条件とは
– 事業所の加入条件
法人は、基本的に社会保険の加入が強制となります。個人事業主のオーナーでも、常時雇用する従業員が5人以上いるのであれば、社会保険の加入対象となります。常時雇用する従業員が5人未満の場合は加入対象とはなりませんが、従業員の半数以上が加入に同意し、申請の認可が下りれば社会保険に加入(任意適用)することもできます。
– 従業員の加入条件
正社員・フルタイムの従業員のほか、週の所定労働時間数および月の所定労働日数が、正規従業員の4分の3以上であるパート・アルバイトの方が加入対象となります。
また、2022年10月からは、以下の5つの条件を満たす従業員も加入対象者となります。
・被保険者(=常用労働者)の総数が51人以上である
・1週の所定労働時間が20時間以上である
・1か月あたりの所定賃金が88,000円以上である
・学生ではないこと
・雇用期間が2ヶ月を超えると見込まれること
※2024年10月以降は、被保険者総数51人以上に引き上げられています
5. 社会保険は遡って加入できる
– 加入漏れの従業員がいた場合
条件を満たしているのに未加入の従業員がいた場合、過去に遡って加入させることができます。
遡及加入分の保険料はいったん会社が全額支払うことになりますが、従業員負担分については従業員本人に請求することができます。本人負担分については、給与からの天引き・賞与から清算することはNGとされていますので、支払方法について本人との調整が必要です。
– 事業所が未加入だった場合
年金事務所の立ち入り調査が行われ、強制的に社会保険の加入手続きを取られた場合、2年間分遡って保険料の支払いをしなくてはなりません。
ただし、未加入であることを放置せずに自ら手続きを行った場合、「新規適用」という扱いとなり、遡及加入は発生しないとされています。
▶参考:厚生年金保険・健康保険などの適用促進に向けた取組(日本年金機構)
調査で指摘されたら逃れられないので、ダメージが大きいぞ!
6. まとめ
・社会保険の未加入は必ず発覚してしまう
・未加入を放置しておくと、追徴金や場合によっては損害賠償の恐れもある
・未加入の場合は2年間まで遡って加入させることができる