コンビニ経営のお役立ち情報

[2022.10.05]フランチャイズオーナーでも税務調査の対象になる?調査の流れと備えておくべきこと

「コンビニのようなフランチャイズには税務調査が入らない」そう思っていませんか?
税務調査は業種、経営形態に関係なく行われます。
ある日突然、税務調査の連絡が来たときは、どのように対応すればよいのでしょうか?
対応方法や税務調査の流れなどについて解説していきます。

としオーナー
としオーナー
山本さん!事件です!!
今度、うちの店舗に調査が入ると税務署から電話があったんです…
そんなに慌てなくて大丈夫!
きちんと備えておけば、税務調査も怖がることはないんですよ。
税理士・山本
税理士・山本
としオーナー
としオーナー
どどど、どうすればいいんでしょうか!?
この記事で調査の流れと備えておくべきことを説明していこう。
税理士・山本
税理士・山本

 


 

1. 税務調査とは?

税務調査とは何か?

税務調査とは、毎年行われる確定申告に対し、申告内容が正しいかどうかを税務署や県税事務所等が確認する調査です。つまり、法人税や所得税、消費税を支払っている法人・個人事業主は調査対象となり、フランチャイズのコンビニであっても調査が行われる可能性があります。

やすオーナー
やすオーナー
確定申告をしなければ、調査されないんじゃないの?
そう思うかもしれなけど、事業で得た収益は取引先の税務申告の内容から、すべてわかってしまうんだ。
無申告の場合、それだけペナルティも大きいぞ!
税理士・山本
税理士・山本

 

いつ調査が行われるの?

税務調査がいつ行われるかは、明確な時期が決まっていません。ですが、8~12月が税務調査のシーズンとされており、これからどんどん増えてくることが想定されます。

税理士・山本
税理士・山本
ここ2年は、コロナ禍でほとんど調査が行われなかったんだ。
だけど、今年は税務調査の問い合わせが増えていて、月1~2件は調査に立ち会っているよ。

 

税務調査は2種類

税務調査は「任意調査」と「強制調査」の2種類があり、一般的に行われるのは「任意調査」です。

ー任意調査とは

任意調査では、電話または文書で1週間前に通知があってから実地調査へと進みます。しかし、任意とっても厳密には「任意」でありません。事業主は実地調査に協力する義務があるため、税務調査を拒否することができません

ー強制調査とは

強制調査は、「マルサ」と呼ばれる国税局査察部が裁判所の令状を得て強制的に行う調査です。基本的に脱税の疑われる納税者に対して行い、事前通知は一切ありません。強制調査は、「脱税額が1億円を超えること」、「脱税の隠蔽工作が悪質であること」が想定される場合に限られています。


2. 税務調査の基本的な流れ

① 税務署からの事前通知

事前通知は前触れもなく行われ、ある日突然電話で税務調査の連絡がきます。税務調査の事前通知を受けたその日に実地調査が行われることはなく、1ヶ月ほどの猶予を持って通知されるのが一般的です。事前通知があったらすぐに顧問税理士へ相談しましょう。

税理士・山本
税理士・山本
通知があった日程については、都合が悪ければ変更することもできます。
事前通知の際は「税理士へ確認して折り返します」と伝えればOK!


② 税理士へ相談し、必要書類を準備する 

税理士と調査日程の調整ができたら、次は書類の準備に入ります。調査では領収書や帳簿などの資料を求められるので、税理士のアドバイスに従って書類を準備してください。


③ 調査実施

調査は2日にわたって行われることが多く、基本的には税理士が対応します。ただし、事業内容など経営に関する質問については、オーナー自身に回答をお願いすることもあります。


④ 指摘に対する回答

調査が終わった後も、税務署からの指摘や質問に対して回答が求められます。基本的には顧問税理士が回答を行いますが、追加資料を求められることもあるので、その際は速やかに提出しましょう。


⑤ 調査結果

調査が実施されてから結果が出るまで、約1ヶ月かかります。結果は、申告に問題がない「申告是認」、過去の申告ミスを修正する「修正申告」に分かれます。修正申告では、追加で納税する税金が発生します。


3. コンビニの税務調査で備えておくべきこと

■ 日頃から資料を保管しておく

経営に関する資料はきちんと原本で提示できなければ、税務調査で否認されてしまう可能性があります。領収書・シフト表・フランチャイズ本部から発行される資料は調査時にチェックされる資料なので、必ず原本で保管をしておくようにしましょう。

・領収書
領収書は経費が発生していることの客観的な証拠書類となります。税務調査時に領収書を提示できなければ、経費として認められないこともあります。

・シフト表
給与明細だけでは誰が、どのように働いているかを確認することができません。給与明細だけでなく、履歴書やシフト表も保管しておきましょう。

・FC本部から発行される資料
コンビニ経営では、フランチャイズ本部において売上・仕入等の集計や経費の精算をすることも多いと思います。税務調査時には、経費だけでなく売上・仕入等をチェックされるので、フランチャイズ本部が発行する資料の保管も必要です。

税理士・山本
税理士・山本
「本部が保管してくれている」と思わず、必ずオーナー自身で原本保管をしておこう!


■ 店舗内の環境を整備しておく

税務調査は調査官が店舗に訪問し、事務所内で行われます。ストックスペースや金庫、タイムカードの周辺なども確認される可能性がありますので、改めて整備しておきましょう。

■ コンビニ専門の税理士への相談

コンビニのようなフランチャイズは、他の業種と比べて本部との会計システムが複雑な傾向にあります。そのため、税理士であってもコンビニ特有の会計処理に慣れていなければ調査官に正しい説明ができず、誤った調査結果が出てしまうケースも…。
今の顧問税理士に不安がある場合、コンビニを専門とした税理士へ依頼するのもよいでしょう。


4. まとめ

・コンビニであっても税務調査は必ず行われる
・8月から3月にかけて、税務調査行われることが多い
・指摘に正しく対応するために、コンビニ会計を熟知した税理士へ依頼するのがよい