[2022.11.14]固定給なら残業代は払わなくてもOK?
コンビニでいえば、店長などの役職者は固定給として給与を支払うケースも多いですよね。
そうした固定給の従業員に対しても、残業代を適切に支払っていますか?
「固定給なのに残業代を支払うの?」そう思った方は、ぜひこの記事を最後まで読んでみてくださいね!
残業代が支払われずに、退職後に未払い残業代の請求がくるケースもあって…。
だから固定給であっても、きちんと勤怠管理しておくことが大切なのよ!
今回の記事では、勘違いされがちな「固定給」について解説していくわよ。
もくじ
1. 固定給とは
固定給とは?
固定給とは月給や年俸といった一定の期間で、決まった金額を給与として支払う制度。パート・アルバイトが時給制であるのに対し、出勤数などに左右されることなく毎月決まった給与を支払います。基本給のほか、住宅手当や役職手当など、各種手当も含む固定の金額もこの中に含みます。
固定給に残業代は含まれる?
固定給であっても、実際の労働時間が法定労働時間を超えたときなどは、残業代を支払わなければなりません。そのために、勤務時間をしっかり把握しましょう!
ただし、例外もあります。それが、固定残業代(みなし残業代)です。
2. 固定残業代(みなし残業代)とは?
固定残業代(みなし残業代)とは
残業代については、一定時間分の残業手当を固定給に含むことが認められています。このように、一定の時間外労働を見越して固定給に含む残業代を、固定残業代(みなし残業代)といいます。
ただし、定められた残業時間を超えて勤務した場合には、超過分の残業代を支払う必要がありますので、気を付けましょう。
固定残業代の注意点
①基本給と固定残業代の金額が明確に分かれていること
固定残業代の場合、時間外手当にあたる部分が明確に区別されている必要があります。
求人票や労働契約書などには、月給25万円(固定残業代3万円/20時間相当分を含む)などと表記します。もちろん、それを超えて働いた分は、時間外手当の支給対象となりますので、「20時間を超える分については別途支給」などと記載が必要です。
②最低賃金を下回らないこと
給与に固定残業代を含める場合は、固定残業代を除いた基本給が最低賃金を下回っていると違法となります。固定給-固定残業代=基礎賃金となりますので、基礎賃金を時給換算し、最低賃金を割らないように設定してください。
各地域の最低賃金は、下記から調べることができます。
参考▶地域別最低賃金の全国一覧(厚生労働省)
3. 残業代を払わなくてもいい!?管理監督者とは
ただし、それは肩書ではなく実態により判断されるの。
必ずしも店長=管理監督者とはならないのよ。
管理監督者の定義
労働基本法では、管理監督者の定義を「労働条件の決定その他の労務管理について経営者と一体的な立場にあるもの」とされています。つまり管理監督者とは、以下に該当する立場の人を指します。
・経営者に近い責任と権限を持っている
・労働時間を管理されていない
・賃金などが一般従業員と明確に区別されている
管理監督者でも深夜手当の支払いは必要
たとえ管理監督者であっても、深夜の時間帯(22:00~5:00)に勤務したときには、深夜手当(割増賃金)を支払う必要があります。
4. まとめ
・固定給であっても残業代の支払は必要
・固定給の中に含めるのであれば、固定残業代(みなし残業代)を導入すること
導入を検討する際は、社労士のアドバイスを受けた方が安心よ!