[2024.02.29]国外居住親族の扶養控除についての仕組みを徹底解説!
国際結婚や日本国外への移住、あるいは日本国内での外国人労働者の増加を背景に、国外に住んでいる親族を扶養に入れる相談が増えています。
制度自体は平成28年より要件が定められておりますが、令和5年1月から新たな案件が加わっておりますので、制度の概要を改めて今回の記事で解説していきます。
やすオーナー
外国人の従業員から、国外に住んでいる家族を扶養に入れたいという相談が来たんですけど…。
令和5年1月から新たに要件が加わったから、誰でも扶養に入れられるわけではないんです!
税理士・山本
やすオーナー
やっぱりそうですよね。でも、いまいち扶養に入れる条件をわかっていないんですよね…。
この記事では国外居住親族の扶養控除の制度について、解説していきますね!
税理士・山本
もくじ
1. 国外居住親族の扶養控除について
申請方法
申請に際して、下記の書類の提示または提出が必要です。※外国語で記載されている場合は翻訳文も添付
①親族関係書類
納税者と扶養親族との関係を証明する公的な書類(小関の附票またはパスポートの写しなど)
②送金書類
生活費などを送金したことを証明する書類(金融機関に提出した外国送金依頼書の控えなど)
※年末調整で控除する場合…
従業員は給与支払者に提出。給与支払者が保管し、税務署から提示を求められた際には対応できるようにしておく必要があります。
※確定申告で控除する場合…
申告書に添付して税務署に提出します。
2. 扶養親族の対象となる親族について
やすオーナー
実際に扶養対象になる条件はどのようなものがあるのでしょうか?
単純に言うと年齢と送金額によって対象となるかどうか変わってきますよ!
税理士・山本
【原則】30歳以上70歳未満の方は対象外
【例外】・留学をしている方(※1)・障がい者(※2)・38万円以上の送金を受けている方
(※1)「外国政府又は外国の地方公共団体が発行した留学の在留資格に相当する資格をもって在留者であることを証する書類」の提出が必要になります。
(※2)38万円以上の送金を証明する送金書類(上記、手続きの②参照)の掲示または提出が必要になります。
4. まとめ
・手続きに必要な書類として、「親族関係書類」と「送金書類」が必要になる。
・令和5年1月からは、新たに年齢や送金額の要件が加わっている。
やすオーナー
そういう仕組みになっていたんですね!従業員から相談された時はどうしようか困りましたが、従業員から必要な情報を聞いて手続きできるのか確認したいと思います!
弊社では、そういった税務や労務に関わる従業員からの質問に対する相談も受け付けておりますので、ぜひともご活用ください!
税理士・山本