[2024.08.31]コンビニ事業における最低賃金改定の注意点
令和6年7月25日に厚生労働省より令和6年度に改定される最低賃金の発表がありました。
今回の記事では、最低賃金の改定に対して、事業主様に想定される対応と注意点を解説していきます。
※本記事は、令和6年8月25日時点での情報を基に作成しています。
1. 最低賃金とは
最低賃金法に基づき、国が賃金の最低限度を定め、使用者はその最低金額以上の賃金を支払わなければならないとする基準のことです。
最低賃金は毎年7~8月頃に改定額が決定され、10月頃に改定が実施されます。
また、原則として従業員の年齢に関わらず適用されるため、高校生や大学生、シニアであっても金額は変わりません。
2. 各都道府県の低賃金額改定の目安
最低賃金の引き上げに関しては、地域ごとに引き上げる金額が変わってきます。
しかし、今回の各都道府県の引上げ額の目安については、Aランク50円、Bランク50円、Cランク50円と当初は一律で50円アップで妥結されましたが、実際には徳島県では84円、島根県では58円の引き上げが妥結されている等、50円を上回る都道府県が複数見受けられています。
【(参考)各都道府県に適用される目安のランク】
参考▶令和6年度地域別最低賃金額改定の目安について
なお、各都道府県の最低賃金の最新情報に関しては、下記厚生労働省のHPからご参照ください。
参考▶賃金 (賃金引上げ、労働生産性向上)
参考▶令和6年度の各都道府県の地域別最低賃金改正予定額及び発効予定年月日
3. 月給の対応
最低賃金の引き上げが実施された場合、月給の方への対応にも注意が必要です。
時給とは異なり、月給は月の所定労働時間で割った額が最低賃金を下回らないようにする必要があります。
【例】
月給18万円の従業員1名の場合
この場合、例えば島根県(最低時給962円)であれば問題ないですが、東京都(最低時給1,163円)であれば、時給換算で127円アップする必要があります。
※最低時給は昨年(令和5年改定後)の最低時給+令和6年度の引き上げ額(島根県58円、東京都50円)で算出
上記の例の場合、単純に時給換算で50円アップの対応だと最低賃金を下回る形になりますので、注意が必要です。
また、残業代や通勤手当、家族手当等の諸手当は最低賃金には含まれない為、併せて注意が必要です。
4. まとめ
・最低賃金の引き上げ額は各都道府県によって異なる
・最低賃金の改定は毎年行われている
・月給の場合、月の所定労働時間で割って最低賃金を下回らないようにする