[2024.10.31]コンビニ事業における社会保険上の賞与の取り扱いについて
賞与に対して社会保険料がかかる、いわゆる「総報酬制」が20年前から始まりましたが、社会保険料を節約したい意図から賞与的な性格の金銭を届出しないという問題が一部で出ています。
厚生労働省の事務連絡が改正されたことに伴い、今後賞与についてのチェックが厳しくなる可能性があります。
今回の記事では、社会保険上の賞与の取り扱いについて解説していきます。
1. 社会保険上の賞与の定義
対象となる賞与は、賃金・給料・俸給・手当・賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が労働の対価として受けるもののうち、年3回以下の支給のものです。
年4回以上支給されるものは標準報酬月額の対象となります。また、臨時の恩恵的手当(結婚祝金等)は報酬対象外となります。
【年間1~3回支給】
賞与に当たる
【年間4回以上支給】
年間支給額÷12を毎月の報酬に計上
※予め就業規則等で4回以上の支払いが決められている場合。結果として4回以上の支払いになった場合には、それぞれ賞与して取り扱われます。
【臨時の恩恵支給】
賞与に当たらない
社会保険料を計算し、所得税とあわせて差し引いた額を賞与として支給した後は、支給日より5日以内に「被保険者賞与支払届」を日本年金機構または企業の所在地を管轄する年金事務所に提出しなければなりません。
また、登録した賞与支払予定月に賞与を支給しなかった場合は、「賞与不支給報告書」を提出する必要があります。
2. 社会保険料がかからないケース
【産前産後や育児休業中に賞与を支給する場合】
産前産後休暇および育児休暇中は、社会保険料が免除される制度があります。例えば、月末に産前産後休暇を取得している場合、その月分の月額保険料とその月に支払われた賞与に対する保険料はかかりません。
ただし、給与と同じく賞与も1ヵ月単位が基準となるため、産前産後休暇中に賞与を支給しても、月末までに復帰した場合はその賞与に対して社会保険料がかかることになります。
【賞与を支給する月が資格喪失月に該当する場合】
社会保険料は、被保険者資格喪失日(退職日翌日)の前月分までが徴収されるため、賞与支給月の末日より前に退職していれば、退職月の社会保険料はかかりません。
3. まとめ
・原則、賞与も社会保険料がかかる
・賞与を支給した場合、被保険者賞与支払届の提出が必要
・社会保険料がかからないケースもある
ケインズアイでは、賞与の保険料の計算から賞与支払届出の提出まで全て顧問料の範囲内で承っております!疑問点がありましたら、お気軽にいつでもご連絡ください!