[2022.11.19]年末調整は何のために行うの?しないとどうなる?
年末が近づくこの頃、準備しなくてはならないのが「年末調整」です。
毎年行っている手続きですが、年末調整を行わないとどうなるかまでを知っている人は多くないでしょう。
この記事では、コンビニオーナー様からよく寄せられる年末調整の疑問を解説しています。
そろそろ書類の準備はできましたか?
ということで、まだ準備できていません…!
それに、コンビニだと扶養内の従業員もいるし、ダブルワークしている人も多くて…対応方法がわからなくなるんですよね。
この記事では、年末調整にまつわる疑問を解説していきます!
もくじ
1. 年末調整とは
年末調整は何のため?
従業員の税金は、雇用主が給与や賞与から天引きして、預かった上でまとめて国に支払われています。この仕組みを「源泉徴収」と言います。このとき預かった税金は、おおよその金額なので、所得税額が確定すると天引きされている所得税額と実際の所得税額に過不足が生じます。
この過不足を年末の12月に調整する仕組みが「年末調整」です。
年末調整で所得税額を再計算し、天引きされている所得税額のほうが多ければ差額分が還付され、少なければ追加で税金を納めることになります。
年末調整の対象となる人
年末調整が必要な従業員は、12月31日時点でその会社(店舗)に勤務している従業員(パート・アルバイトも含む)が対象です。
年末調整の対象とならない人
以下の項目に当てはまる人は、年末調整の対象となりません。
・2カ所以上から給与の支払いを受けていて、ほかの勤務先で年末調整を行う人
・年の途中で退職した人
・非居住者
・日雇労働者
・災害減免法の規定で源泉所得税の徴収猶予、または還付を受けている人
・本年中の主たる給与収入が2,000万円を超える人
2. 年末調整で提出する書類は?
① 給与所得者の扶養控除等申告書
この書類を提出することで人に関する控除を受けることができ、以下に該当する人が提出します。
・扶養親族がいる
・障害者
・勤労学生
・ひとり親等
② 給与所得者の保険料控除申告書
保険関係の控除を受けるための書類です。具体的には、以下の保険等に加入している人が提出します。
・生命保険
・国民健康保険、国民年金
・地震保険
・小規模企業共済
・iDeCo など
③ 給与所得者の基礎控除申告書
配偶者の控除を受けるための書類です。この書類を提出することで、配偶者控除・配偶者特別控除を受けることができます。
④ 給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書
この書類を提出することで、住宅ローン控除をうけることができます。住宅ローンを組んだ年に確定申告を、2年目以降は年末調整にて住宅ローン控除が適用されます。
3. 年末調整をしないとどうなるの?
各種控除が受けられなくなる
配偶者控除や生命保険控除などの各種控除を受けられないことで、自身の総所得額が多くなってしまうため、結果として支払う税額も高くなってしまいます。
税金の過払いになる可能性がある
年末調整により正確な所得額が決まり、払いすぎた税金は還付してくれます。したがって、年末調整をしなかった場合、税金の過払いになっている可能性もあるということです。
また、所得額によって翌年の住民税額が決まります。所得額が大きい人ほど住民税額も大きくなるので、その点にも注意が必要です。
4. こんなときはどう対応する?
ダブルワークをしている場合は?
「給与所得者の扶養控除等申告書」はメインで働いている会社1社にしか提出できません。そのため、仕事を掛け持ちしている場合は、収入が多い勤務先で必要書類を提出し、年末調整を行います。
扶養範囲内の場合は?
年収103万円以下であっても、源泉徴収は行われています。例えば特定の月だけ88,000円を超える月があるなど、本来は支払わなくてよい所得税を支払っていることもあるので、年末調整で還付する必要があるのです。
つまり、扶養範囲内のパート・アルバイトであっても年末調整の対象となります。
ふるさと納税をしているときは?
ふるさと納税は年末調整ではなく、ワンストップ特例申請または確定申告のいずれかの手続きを行い、還付のための控除を受けることになります。
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5. まとめ
・年末調整をすることで、正しい所得額が決定する
・払いすぎた税金があれば還付され、足りない場合は徴収される
・12月31日時点で在籍している勤務している従業員(パート・アルバイトも含む)が対象